「醤油と砂糖と酒で煮れば、美味しいかな?
一緒にショウガとネギでも入れてみようか?」
忍は、とにかく臭いの強いものを嫌う。
隠密行動中に、口臭や体臭で敵に気づかれたら元も子もないからだ。
だから、ニラやネギ、にんにくなどは里を出るまで、食べたことがなかった。
そんなこんなで、獣もあまり料理したことがない。
「けど、みんなには喜んでほしいもんね……」
去年の池田屋のときみたいに、暑さで寝込む隊士があまりにも多いと、突然出動するようなことが起きたら困る。
みんなに体力をつけてもらわなきゃ。
「おい、昼飯できたか?……って、すげえにおいだな」
鍋でぐつぐつ肉を煮ていると、総司が炊事場に顔を出した。
ちなみに今は、屯所には総司とあたしと、数名の隊士しかいない。
「うん、もうできるよ。漬物切るの手伝ってくれる?」
「そりゃあいいけど……」
総司は鼻をつまみながら、鍋の中をのぞきこみ、眉をひそめる。



