幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「醤油と砂糖と酒で煮れば、美味しいかな?

一緒にショウガとネギでも入れてみようか?」


忍は、とにかく臭いの強いものを嫌う。


隠密行動中に、口臭や体臭で敵に気づかれたら元も子もないからだ。


だから、ニラやネギ、にんにくなどは里を出るまで、食べたことがなかった。


そんなこんなで、獣もあまり料理したことがない。


「けど、みんなには喜んでほしいもんね……」


去年の池田屋のときみたいに、暑さで寝込む隊士があまりにも多いと、突然出動するようなことが起きたら困る。


みんなに体力をつけてもらわなきゃ。


「おい、昼飯できたか?……って、すげえにおいだな」


鍋でぐつぐつ肉を煮ていると、総司が炊事場に顔を出した。


ちなみに今は、屯所には総司とあたしと、数名の隊士しかいない。


「うん、もうできるよ。漬物切るの手伝ってくれる?」


「そりゃあいいけど……」


総司は鼻をつまみながら、鍋の中をのぞきこみ、眉をひそめる。