幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「小次郎!」


槐が叫ぶと、小次郎が飛びのく。


するとあたしのちょうど背後……まるであたしと小次郎を引きはがすように、山南先生のヒレが振り下ろされた。


「楓、こっちへ!」


小次郎たちのすきを突き、総司があたしの手を引いて立たせる。


慌てて立ち上がり振り返ると、山南先生は今度は平助くんの方をにらんで喉を鳴らしていた。


「平助っ、山南さんを傷つけるんじゃねえぞ!」


次々に襲いかかってくるもののけの相手をしながらの副長の言葉が終らないうちに、今度は平助くんに襲いかかる山南先生。


「誰が味方かも、わかってないの……?」


普段の山南先生からのあまりの変わりように、恐怖を通り越して悲しくなる。


あれじゃ、狼化したときの総司よりひどいじゃない。


「土方さんっ、とにかく山南さんに一度眠ってもらいましょう!

傷つけたくはないけれど……このままじゃ、らちがあかない!」


他の敵と戦いながら、総司が叫んだ。