「ぐああ……っ!」
山南先生が一際大きな悲鳴をあげ、みんながそちらに注目する。
頬にまで鱗が浸食し、両手には水かきが現れ、背中から出た鋭いヒレは、羽織を突き破っていた。
肘から手首にかけても、まるで鎌のような鋭利なヒレが光っている。
そんな彼の姿を見て、誰もが言葉を失った。
「はあ、はあ……」
荒い息をつき、山南先生は自分の右腕を凝視した。
肘から下が動かなかったはずのそれが、ゆっくりと顔の前まであげられる。
そして、空気をつかむように、握っては開き、握っては開いた。
「山南さんの腕……、本当に動くようになった……」
平助くんがかすれた声でつぶやく。
「山南さん……俺たちがわかるか?」
怪訝な表情の副長が一歩近づいた途端……。
「ぐおおおっ!」
言葉にならない唸り声をあげ、山南先生が突然立ち上がった。
そして、副長の頭上へと地を蹴り、跳ね上がると、鎌のようなヒレを、彼に向かって振り下ろした。



