「先生!しっかりしてくださいっ!」
あたしは止血をしようと、懐から手ぬぐいを取り出す。
しかし、背後から頬にぴたりと冷たいものを押し当てられて、動きが止まってしまう。
「動くんじゃない!
一歩でも動いてみろ。
この女の顔を切り刻んでやる!」
そっと振り向くと、いつの間にいたのか、小次郎が忍者刀をかまえて後ろに立っていた。
「前を向け」
緊張した面持ちの小次郎が短く言う。
「楓と山南さんを離せ!」
総司が怒りを露わにして怒鳴る。
「だから言わんこっちゃねえんだよ……!」
土方副長が、端正な顔を歪めて、こちらを見つめていた。
その顔は怒っているというよりも、泣きそうに見えた。
「総長!総長、大丈夫ですか!?」
懸命に山南先生に話しかける斉藤先生。
「あああ、もう、やってられるか!」
川を凍らせ続けるのを諦め、平助くんも駆け寄ってくる。
「みんなっ、あたしのことはいいから、攻撃して!」
「んなこと、できるわけねえだろ!」
叫ぶけど、総司に一蹴されてしまう。
でもこのままじゃ、山南先生が……!



