「なん……」
なんで、と思った刹那。
後ろから、ぶつり、と鈍い音が聞こえた。
「えっ……?」
ついにそちらを振り向く。
すると、後ろにいた山南先生の右脇腹に、半魚人の肘についている鋭いヒレが、突き刺さっていた。
左腕一本じゃ、守り切れなかったんだ。
「山南さん!」
副長に斉藤先生、総司が口々に彼の名を叫びながら、駆け寄ってくる。
同時に、敵は集まった彼らの周りを包囲しようとしていた。
「うそだろ……山南さん!」
輪の外側から、平助くんの悲鳴が聞こえた。
「うわああああああっ!」
あたしは力任せに、山南先生を襲った半魚人に蹴りを食らわせた。
敵は吹っ飛び、ヒレに斬りつけられた山南先生の傷から、鮮血が溢れる。
そのままどっと、彼は冷たい砂利の上に倒れてしまった。
眉間にシワがより、固く閉ざされたまぶた。
悲鳴を噛み殺す、唇。
かけていたメガネが外れたその顔は、必死に苦痛に耐えているみたい。



