幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「そしてこっちも、岡崎の忍。小次郎よ。私の幼なじみ」


槐が目くばせをした男が、こちらをにらむ。


大きな目をした、一見まだ元服前にも見える男。彼にも見覚えがない。


「岡崎の忍が、どうしてまた京に?

山南さんを利用して、どうするつもりだったんだ」



総司の切れ長の瞳が、彼らをにらむ。



「……岡崎とは関係ない、私ひとりの復讐のためよ」


槐のすっとした瞳が、悲しみを孕んでこちらをにらむ。


「楓……あんたのせいで、陽炎様が死んだ。

私はあんたと新撰組を、絶対に許さない」

「え……っ」


陽炎。


その名前を聞いたのは、いつぶりだっただろう。


1年ほど前に死んだ陽炎……。


彼の最後の表情を思い出すと、ぎゅっと胸がつぶれそうになった。


「どうして陽炎が新撰組絡みで死んだことを知っている?」


何も言えないあたしに代わり、総司がたずねる。


そうだ。いったいどうして?