「話が違います、山南さん!」
「そうですよ!あたしたちがついていって、なるべくひどいことをさせないようにするって話でしたよね?」
後ろから大声を出すあたしたちを振り返り、山南先生が厳しい声で反論する。
「土方くんが私たちの話なんか聞いてくれるわけないだろう!
彼女が新撰組の敵なら、容赦なく切り刻んでしまうさ」
それは……あの副長なら、やりかねないけど……。
「すまない、総司、楓くん。
きみたちは、ここで見た本当のことを、土方くんに報告してくれ」
山南先生は息を整えると眉を下げ、すまなさそうな顔であたしたちに言うと、すぐに明里さんを見つめなおす。
しかし……。
「共に逃げる?なんで私があんたと逃げなきゃいけないの?」
明里さんの口調が、京の言葉からがらりと変わる。
幼いころから聞きなれた言葉の調子。これって……。
「私はあんたを利用していただけよ。
あんたから、新撰組の情報を手に入れたかっただけ。
……詳しく言えば、そこの女の情報がほしかったの」
厳しい言葉の最後に、明里さんは山南先生を通り越し、あたしをまっすぐににらんだ。



