幕末オオカミ 第二部 京都血風編



「そうか。二人はどっちへ行ったかわかるか?」

「さあ……」


そりゃあ気絶させられていたなら、その後の行方はわからないよね。


総司と顔を見合わせる。


おそらく、明里さんとその客はつるんでいるんだろう。


「……誰かが明里に、土方くんの企みを教えたのかな」


山南先生がぼそりと言う。


「まさか……」


だから、味方の人間と京からの脱走を図った?


「とにかく、早く見つけないと!」


そう言った瞬間、頭の上をパタパタと何かが飛んでいった。


月光に照らされた、白いそれは……。


「式鬼……斉藤くんか」


山南先生が眉間にシワを寄せた。


きっと斉藤先生も土方副長の命令で、明里さんをああやって探しているんだろう。


「早く行こう」


山南先生はそう言うと、九条河原の方へと走り出す。


「遠くに逃げようとしているなら、船を使った方が早い」

「なるほど」


納得した総司とあたしは、彼の後ろについていく。


やがて水のにおいがして、闇夜に黒く染まった川が見えてきた。


そして、河原にいたのは……。