「……にしたって、なんで鉢合わせたりするんだよ!
バカバカバカバカ、バカ総司!」
「いてててて、たたくなって!
しょうがないだろ、お前に用事があったんだから!」
ポカポカと殴る手は、すぐに捕えられてしまった。
「え?」
「山南さんには、お前はここで不逞浪士の情報を集めていたってことにする。
とにかく今夜、屯所に戻って来い。店には土方さんから話をつけてある」
そっか、土方副長の命令で、総司はあたしを呼びにきたのか……。
もしかして副長、あたしが何も情報をつかめないから、しびれを切らしたのかな。
しかも山南先生に見つかっちゃったし……。
…………あたし、土方副長に切腹させられるかも。
がーんと、大きな岩が天井から頭に落ちてきたような気がした。
そうしてあたしはとぼとぼと、夜の闇に紛れて屯所に戻ったのだった。



