幕末オオカミ 第二部 京都血風編


「そういえば、平助くん怪我はもう大丈夫なの?」


額の傷はまだなまなましいけれど、一応ふさがったように見える。


「ん?ああ、大丈夫だよ。

ただ誰かみたいにムリして開くと余計長引くからって……近藤さん、過保護なんだよな」


誰かみたいにって……それ、あたしだよね。


平助くんはいたずらっ子みたいににやりと笑って、あたしをのぞきこむ。


「……初めての床入りは、うまくいった?」


初めての……。


ぼっと顔が熱くなると、平助くんはぷっとふきだした。


「ほんと、可愛いな楓は。
総司がうらやましいよ」


「い、あ、うう、えっと」


「いいいい、ムリしてしゃべんなくても。

ほんとはうまくいったかどうかなんて、聞きたくないから」


あわあわするあたしを見て、平助くんは眉を下げた。


その顔はまだ笑っていたけど、どこか寂しそうに見えた。


「俺だって、楓のこと狙ってたんだから。

総司と結ばれちゃったことは、かなりの打撃だよ」


まさか……いつも冗談みたいに言ってたけど、もしかして本気だったの?


ちくんと胸が痛む。