「そういえば、平助くん怪我はもう大丈夫なの?」
額の傷はまだなまなましいけれど、一応ふさがったように見える。
「ん?ああ、大丈夫だよ。
ただ誰かみたいにムリして開くと余計長引くからって……近藤さん、過保護なんだよな」
誰かみたいにって……それ、あたしだよね。
平助くんはいたずらっ子みたいににやりと笑って、あたしをのぞきこむ。
「……初めての床入りは、うまくいった?」
初めての……。
ぼっと顔が熱くなると、平助くんはぷっとふきだした。
「ほんと、可愛いな楓は。
総司がうらやましいよ」
「い、あ、うう、えっと」
「いいいい、ムリしてしゃべんなくても。
ほんとはうまくいったかどうかなんて、聞きたくないから」
あわあわするあたしを見て、平助くんは眉を下げた。
その顔はまだ笑っていたけど、どこか寂しそうに見えた。
「俺だって、楓のこと狙ってたんだから。
総司と結ばれちゃったことは、かなりの打撃だよ」
まさか……いつも冗談みたいに言ってたけど、もしかして本気だったの?
ちくんと胸が痛む。



