「……なら、あきらめるしかないかな。

私には彼らを裏切ることはできないよ」


寂しそうに、それでも彼は笑っていた。


山南先生……。


「そっか。なら、ええわ。

今日もうちが楽しませてあげるだけやし」


そう言うなり、明里さんは優しい笑顔に戻る。


そして、自分の着物の帯を解き、あっという間に裸になってしまった。


「おっと……」


慌ててのぞき穴から顔を離すと、どさりと山南先生が押し倒されたのであろう音が聞こえてきた。


「ちょ、明里……」


こ、これ以上の長居は無用かな。


ああ、それにしても……。


「もう少し、ここにいなきゃいけなさそうじゃん……」


明里さんは、どうやってその薬屋と通じたのか。


幕府と敵対する勢力に加担しているのか、通じているだけか。


素性を調べてみる必要がありそうだ。