◇◇◇


「ど、どういうこと?スズが次世代の最高神…?」


苑雛くんが珍しく戸惑った顔をしていた。

俺だって意味がわからない。
みんな、呆然としていた。


「赤龍が最高神になりたいんじゃないの?」

「それでもいいかと思ったのだが」

少し寂しそうに。

「私よりもずっと相応しいのがいたのでな。私は退こうと…まあせめて席の用意くらいはして差し上げようと思ったのだ」

スズが赤龍よりふさわしい?

まったく意味がわからない。
驪さんが顔をしかめているから、なにかしら知ってはいるんだろうけど。


「……あれ」

そういえば。
ぷっつりと、あの熱がなくなっている。

「なんだったんだろ…あれ」

“スズが心配だな。大丈夫?ゆーちゃん”

「うん、まあ…びっくりしたけど」

「まだ顔が赤いぞ。まだ体に霊力が馴染んでないのではないかの?」

そうなの…かな?
言われてみればまだ熱っぽい。


「兄上…彼女は、無理です。最高神にはなれない」


「しかし、愚図なお前が育ててる鳳凰よりかはマシだろう」

「愚図なんかじゃ!確かに失敗はしますが、それはまだ未熟だからで…!」

「未熟な最高神など迷惑なだけ。今のお前がどれだけ迷惑をかけてるのかわかってないのか」

「うう……」


簡単に言い負かされる。
驪さんさっきからよわすぎるんだよなぁ。



「ねえ赤龍。僕達全く意味がわからないんだけど一一教えてよ」


苑雛くんが真摯に問う。


「わからないのに未熟だ未熟だって、いい加減腹が立ってくる。うるさい、わかってるよそんなこと。頑張るからさ、教えてよ」


「生意気な。無知を棚に上げるか」


「そっちこそ、わかってるからって偉そうなんだよ」

「……」


あ、二の句がでないみたい。


少し頼もしそうに驪さんは苑雛を見た。あなたの息子さんご立派です。