意気消沈したらしいアカネは、居心地が悪そうに俺の中に逃げる。
あれ、スズの方が大人じゃない?
「ありがとう!」
微笑む苑雛くんは、鉛筆を握った。
さながら記者みたいだ。
「うーんと、昼間一通り聞いたんだけど、ちょっと気になる所がいくつかあって…聞いていい?」
「はい、なんなりと」
「青龍がいたって言うのは本当?」
青龍。
創龍という別名を持ち、事実上『神々の元最高神』
彼ら鳳凰の父である黒龍、驪龍の父。
今は四神に成り下がってる、権威の神様だ。
「はい。しかも、彼は凶将ではなく吉将――自分から手下に成り下がったという感じでした」
「自分から?」
それは、無関係の俺もちょっと引っ掛かった。
自分から『元最高神』が成り下がるか?
権威の神様が、そんな人間如きに。
「……」
顎に手をそえ、可愛らしい見た目からは想像つかないほど悩み始めた。
はっきりいって、似合わないの一言につきた。


