◇◇◇
二回目の朝。
黒庵さんの部屋で目を覚ました。
「…」
と、いうより起こされた。
「だーかーらーっ!この最後はおかしーだろーが!なあにがハッピーエンドだ問題ありすぎんだろふざけんなっ」
「はああああ!?ハッピーエンドでいいじゃろぉ!?主人公らが結ばれてめでたく愛し合う――何が問題じゃっ」
「…んだよ、もぉ」
一発で争うやつらはわかった。
鸞さんとアカネだ。
朝っぱらから仲良く喧嘩してらっしゃる。
「…」
仲良く。
…仲直り、したんだ。
『シロの時もそうじゃった。消えたのに、その事実から逃げて――黒庵に乗り換え“うっせぇよ!”
あんなにぎゃあぎゃあ言ってたのに、なんかすごい。
絆とか、そういうのを感じた。
切っても切れない、嫌いになりきれない関係。
とても羨ましいと思うのは、妹との関係がアレだからだろうか。