色のない世界

その当時は会ってはいけない理由が分からなかった。

でも、物事がはっきりと自分で理解できるようになってからは、モカに会いに行かなくてよかったと思った。

モカにだけは、あからさまに距離をおかれたくなかったから…

それと同時に、家の家業を恨んだ。

こんな家に生まれてこなければ、みんなから距離をおかれたり一歩引いて話されたりなんて事はなかったと思うから。

俺が悪いんじゃないのに、どうしてこんな目に合わないといけないんだ?

常にこの思いが心の内側にあった。


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