浅井弦五郎は過去に毎日のように通っていた505号室の前に居た。

今日は、以前に約束していた琉との面会の日。

トントン―

「どーぞ」

ガラガラ…

「琉坊ちゃん、全然元気そうじゃねーか」

「まぁーね

「病室ここなんだな…」

「あぁ…この病院に入るなら病室はここじゃないと」

「そうか…」

「おっさんも元気そーじゃん。和也は?元気?」

「あぁ。あのバカ息子は元気だよ。だが、えらいことを仕出かしてくれた」

「…何かやったのか?」

「あぁ。モカを連れて来た」

「モカ?」

その名前を聞いて幼かった頃の記憶が蘇る…


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