【短編】よわ虫kiss



「アヤ…

オレは、アヤが思ってるほどもう弱くねぇよ。

少なくともアヤと支えてやれるだけの強さは持ってるつもりだし…


アヤが寂しいならいつでも会いに行く。

アヤが苦しいならいつでも隣にいる。


だから、別れるなんて言うなよ…


他の女じゃ意味ないんだよ…頼むから…アヤ…

頼むから…別れるなんて言うなよ…」


見上げる大和の瞳に、涙が溢れそうなほど溜まっているのが見えた。

朝日に照らされてキラキラ光る大和の涙が頬を伝って…


大和は、それを腕でぐいって拭いた。


「オレ…アヤがいなきゃダメなんだよ…

…おまえだってそれくらい分かってんだろ?


オレがおまえじゃなきゃダメなの分かっててそんな事言うな…このバカが」


あたしから目を逸らして、横を向きながら言った大和の声が弱弱しい。

さっきまで怒鳴りつけてたくせに、

さっきまで強引だったくせに…


結局、大和は…


腕で口元を隠しながら、涙を堪えるように表情を歪める大和に、あたしの顔が緩む。


「…本当に大和はよわ虫なんだから…」


あたしの掠れた声に、大和は視線だけちらっとあたしに向けた。


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