【短編】よわ虫kiss



ずっと…ずっと、傍にいたい。


耐えられないのは大和じゃない。

大和がいなくて耐えられないのは、あたし。

遠恋に耐えられないのは、あたし…


大和の隣じゃなきゃ、この距離じゃなきゃ…


あたしは…耐えられないよ…


寂しくて…耐えられない…


大和がいないなんて…

絶対に、無理だよ…



無理…



止まらない涙を素直に溢れさせるあたしの肩を掴む大和の手に、力が入ったのが分かった。

その手の強さに、ほとんど見えなくなった目で大和を見上げると、あたしに負けずに瞳に涙を溜める大和の姿があった。


「いいか!?

おまえの引越っすばあちゃんの家とこことは10キロも離れてねぇんだよ。

10キロぐらいオレが毎日ランニングして会いに行ってやるよ!

おまえの言う通り、足腰鍛えられて丁度いいだろ。

で、今年の夏にはすっげぇ早い球投げられるようになって、予選勝ちあがって甲子園に行ってやる。

それぐれぇの距離に負けてんじゃねぇ!!

あほ!へなちょこ!」


あまりに勢いのいい大和の言葉に、あたしはびっくりして言葉もでなくて…

口をきつくへの字に結んだ大和に、やっとの思いで口を開く。


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