「…やま…っ…」
あたしの顎を上げて無理矢理キスしてきた大和を止めようとしたけど、今まで感じた事のないくらいの力であたしを押さえつける大和に動揺して、上手く体が動かない。
こんな強引なキス初めてで…
こんな強引な大和は初めてで…
でも、荒々しい行動に、大和の傷付いた気持ちが表れているようで…
塞がれた唇から、大和の感情が流れ込んでくるようで…
ひどく悲しくて、苦しくて…
閉じた瞳から、涙がこぼれる。
「…大和…っ」
乱暴なキスを止めた大和が、あたしの首筋に顔を埋める。
恐いとか恐怖とか…そんな感情はなかった。
ただ…
ただ、目の前の大和が可哀相で、
傷つけた自分が悔しくて…
涙だけが頬を伝う。
「…させるかよ」
あたしの左の首筋に小さな痛みを残して離れた大和が、あたしの肩を掴んだままうなだれるように俯いた。
そして、小さく呟いた言葉を言いなおす。
「なかった事になんかさせるかよっ…」
聞こえてきた声が、掠れていて…
もうこれ以上痛みようのない胸が悲鳴を上げた。
ぎゅうっと…誰かに握りつぶされたような感覚に、息が詰まる。
止まらない涙を我慢すると、喉も胸も…体全部が苦しくなって、呼吸が浅く速くなる。
.



