予想通り、学校にはまだ生徒はいる様子もなくて静まり返っていた。
朝の学校は気持ちがよくて、少しだけ気持ちが落ち着いていくような気がする。
澄んだ空気が、涙の跡をかすめていく。
いつも通り、部室に向かおうとグランド脇を通っていた時だった。
あたしの進む先に立つ、大和の姿に気が付いた。
朝日を受けながらあたしを待つ背番号1に、あたしの体がびくんとすくむ。
なんで…?
だって…時間にはまだ早いのに…
大和はあたしをじっと見つめたまま、真っ直ぐにあたしに向かって歩いてくる。
今まで感じた事のない気まずさから逃げたくて、あたしは小さく後ずさったけど…
すぐに大和の腕に捕らえられた。
大和の手が、あたしの腕を少し強めに掴んだ。
「…早いじゃん」
ドクドクと鳴る心臓を隠すように、平然を装おうとして何でもないような言葉を口にした。
だけど、その声は震えてしまっていて…
黙っている大和との間に、緊張を走らせる。
今まで大和との間にこんな空気が流れた事なんてなかった。
いつだって暖かい、居心地のいい空気が流れていたのに…
今日は違っていた。
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