「誕生日おめでとう!」


ユリたち三人は、それぞれクラッカーを持ったままあたしに抱きついてきた。

テープや紙片をかぶったあたしは、一瞬固まっていたけれど、すぐに状況を把握して笑った。

疲れていた心が、じんわり温かくなるのを感じる。


「ありがと、みんな」

「いえいえ。これプレゼント!」

「あたしもあたしも! 受けとって!」


それぞれから、可愛らしいラッピングのされたプレゼントをもらい、催促されて開けていく。

香水、マニキュア、赤い革の手袋。

どれも可愛くて、本当にうれしかった。

様子を見ていた他のクラスメートからも、「おめでとう」と拍手をもらい、なんだか少し照れくさかった。