どこにいても目立ってしまうような、どこにいても人の中心になるような、そういう魅力が全身から溢れ出ている感じ。

これじゃあユリたちが騒ぐのも無理はない。

学校一のイケメンが、薄い唇を開く。


「酒井さん。付き合ってください」


ストレートな告白に、あたしは目を丸くする。

いきなり?

普通そこに持ってくまで、ワンクッションは入れるもんじゃないの。

モテる男の自信か。


「……ダメかな?」

「あ。えー…と、ごめんなさい」


頭を下げると、沈黙の後に笑われた。


「あっさりだね」

「え、あ。…すいません」

「彼氏、いるの? あの校門によくいる金パツの人?」


あたしはびっくりしてコータ先輩を見た。

なんで知ってるの?

もしかしてあいつ派手だから、噂になってる?

だから学校には来るなって言ってるのに、あのヘラ男。