俺様陰陽師




 入会するつもりで来たのには違いないのだけども、ファンかと聞かれると。


 一度しかテレビで見たことがないわけだしね。


 ルックスはかなりよかったけど、タレントにしては無愛想だし、なによりエセ陰陽師っていうのが引っかかる。


 だって、あたしはこれまで普通の人には視えないモノを当たり前のように視てきたわけで。


 ときには怖い経験さえしてきたんだ。


 ――強く掴まれた手首。


 早くと急かされて車道に引っ張り出されそうになったあの恐怖。


 側に母がいなければ、あたしはあの生き霊に殺されていたかもしれないのに。