声をかけた青年はなんだか重そうな荷物を両肩からかけて…どこか旅行から戻ってきたんだろうっていう程の大荷物のまま私の座っているベンチにドスンと荷物だけを置きいきなりスクワットを始めた。 ―――な…な…なに?? こ、この人………。 突然の異様な行動に私は眉をひそめて荷物を密かに膝の上にのせて思いっきり疑いの目で警戒した。 怯える私なんてお構いなしにスクワットをしながら厳しい真っ直ぐな瞳が揺れる前髪の隙間から鋭く向けられる。