ベランダ越しの片想い









アキに告白してしまってから、一週間が過ぎた。

その間に変わったことがたくさんある。



まず、朝は必ず会わないように一時間近く早く起きるようになった。

学校に着けば、アキが来る時間帯まで教室で勉強。

そのあとは朝から図書室に隠れている。



必要以上にお菓子を焼くことはしなくなった。

楽しみにしてくれていたおばさんには残念がられているけど、彼に渡すために焼いていたのだから仕方がない。



あんなに一緒にいたけど、今度は可能な限り避けている。

いつも、横には風が通り抜けていく。



そしてなにより、ベランダには出なくなった。



痛む胸には気づかないフリ。

一年生の頃と同じになるだけ。

わたしはひとりぼっちでも平気だから。



あっという間に夏休みに入って、そうなるともう顔を見ることもない。

つまり、安心できると同時に心が揺れないことを意味していた。