嘘、という言葉が周りから聞こえた。
だけど嘘じゃなくて本当よ。
だって、アキが泣きそうに、幸せそうに笑っている。
この一年でわたしの知らないアキをどれだけ見てきたのかしら。
みんな、みんな清水さんがさせたのに。
わたしじゃ、できないのに。
……一限目はなんの教科の授業を受けたんだろう。
二限目は? 三限目は?
気がついたら四限目まで終わっていたけれど、無意識でもノートは取っていたらしい。
友だちのいないわたしが借りられる人なんてアキしかいないからよかったと、冷めた心で安心する。
みんなが机をガタガタと移動させる音を背に、清水さんがそっと教室を抜け出す。
その姿を見て、わたしも慌てて後を追った。

