わたしとは違って、教室の真ん中で毎日癒される……なんて思ってふたりの会話を聞いていた人はクラスの中に何人もいて。
その内のひとりがとうとう「なんの話?」と疑問を口にした。
「────咲良の彼氏の話」
あう、と頬を赤く染めた清水さん。
周りの人は何度もふたりに視線をやり、きょとん、と瞬きを繰り返している。
「……川崎じゃなくて⁈」
「俺ら付き合ってないってば」
え──────⁉︎ と教室中に大きな声が響いた。
どれだけふたりが愛されていたのか、注目されていたのかがよくわかる。
人気者のアキはお似合いの清水さんだから、交際になんの問題もなかったのに。

