カズくんとヨシさんが合流してからも、わたしの心臓はドクドクしっ放し。
ちょっと前なら、その場だけの緊張だったのが、今やずっと継続中。

これは……もしかして、もしかしなくても――――。


ちらりと仕事中のユキセンセを盗み見ると、ドキン、と心臓が跳ね上がる。


……ヤバイ。わたし、ユキセンセのこと……意識してるっぽい……。


今までとなんら変わらない様子のユキセンセを見て、心が騒ぐ。違うところと言えば、今日は洗い立ての髪で、締切前の状況の割に整った髪をしている。その髪を見てしまうと、さらに鼓動が速くなる。


落ち着け、落ち着け……わたし!


誰にも気付かれないように、小さく深呼吸を繰り返して簡単な清掃をしていた。
フローリングを綺麗にしながら、順にユキセンセの背後へと近付く。

カチャ、カチャ、と時折聞こえるキーボードの音。何気なく、今はどんな仕事をしているのか、とセンセの頭越しにディスプレイをチラ見した。


あ。画面にも、原稿。多少粗く見えるけど、印刷したらすごく線が綺麗なんだよね。
なんだか、わたしなんかが普段使わないような表示がいっぱい……。やっぱり専門のソフト? か、なにかを使ってるのかな。

いつの間にか手を休め、凝視してしまってる自分に気付いてハッとした。