「ん。なんとかやってる」


翌朝の今日、早くからカズくんとヨシさんが助っ人に入り、わたしとユキセンセの間には賑やかさが手伝って、完全に元のなにもなかったときのように戻ってた。

そして、わたしのやることがひと段落したときに、ちょうどメグから電話がきたのだ。


『そっかー! 助かる! 本当ありがとね!』
「うん。いーよ」
『カズ、なんか言ってなかった?』
「ううん。特になにも」
『そー?』


ざわざわとした音がスピーカーから聞いて取れる。
ああ、もしかして、今まさに念願の海なのかな。

メグもバイトではあるんだろうけど、ここの仕事とこうも正反対と言うかなんていうか……。
片や青空の下の、広々とした場所での仕事で、もう一方は、昼夜問わずの籠りっぱなし。


「……カズくん、メグと仕事の空気、共有したかったんじゃないのかなぁ」


ふと、そんな思いを口にした。


『だからって、趣味の押し付けはゴメンよ』


『押し付け』……。そんな感じじゃないんだと思うけどなぁ。ただ、カズくんはメグのこと想ってるだけな気がするんだけどなぁ。

……でも、恋愛偏差値が超低いわたしのカンなんて、アテにもなんないか。


「あはは」と乾いた笑いを漏らしながら、ハッと思いつく。