でも、女子ひとりが男の人3人の中泊まるって、自分で言いだすことなんて出来ないかも……。
きっと、この人たちなら大丈夫、って信頼はしてるけど。


「え……でも」
「どうせもう、帰るとしたらいつ帰ってもタクシーなわけだし。みんなが起きて仕事するなら、わたしも……なんて思ったり……」


こんなふうにいう女子って、引かれるかな。
だけど、この特別な時間を共有したくなったんだもん。こんな家事とかででも、喜んでもらえてうれしかったから。

わたしの発言に、面を食らったような顔をカズくんはしていた。
そりゃそうかもしれない。きっと、メグからは『目立つタイプじゃなく、物静かな女』程度に説明されてると思うし。

そんな女が、『急に男所帯に来たにもかかわらず、なにを』って。


どんな反応が返ってくるのか見当もつかないわたし。
そこへ切り出してきたのは、まさかの、彼。


「誰も送って行けないし、誰か迎えに来てくれるとかじゃないなら、泊まってった方がいいかもね」


――――うそ。
まさか、そんなセリフをユキセンセから聞くなんて。


意外な展開に、口を開けたまま固まってしまった。
その間に、ユキセンセは言葉を重ねた。


「カズの大事な友達なら、なおさら危ない目には遭わせられない」