痛いところを突かれた。
そう。聞いたところでいい答えなんかないんじゃないかと、得意のマイナス思考が渦まいて。

付き合ってはいないけど、本命……とか。それを言葉にしなくても、表情で現されちゃったらどうしよう。

そんなことを考えてたら、メグの言うとおり、ズバッとは聞けなくて今に至る。


「よし!」
「えっ」


力強い声と、テーブルに、バン! とついた手に驚く。
メグの決心のようなものはなんなのかと、目を大きくして凝視していると、こう言った。


「ハッキリさせよう」
「ええっ?!」
「とはいっても、本人を呼び出すことは出来なさそうだから――アイツに聞く」


携帯を弄るメグに、ハラハラとした視線を送る。すると、メグが突如誰かに電話をし始める。
「もしもし!」と強気で話すメグを見て、その相手が誰だかわかった。


「カズ! 今すぐ駅前に来て。問答無用!」


たったそれだけを、おそらく一方的に伝えたメグは、清々しい顔でアイスティーを啜った。


「メ、メ―グー……」
「大丈夫よー。アイツ、私が呼んだら、基本、ちゃんと来るもの」


……そういう心配じゃなくて。
大体、カズくんがメグの呼び出しに忠実にくるのは決まってる。……メグのこと、好きなんだから。


それから数十分たったあと、メグに電話が掛かって来て。カズくんは言われた通りすぐにわたしたちのところまで来てくれた。