こういう間って、どうすればいいの……?!
ただ寝かされてる状態だけど、こんなときにどう応えればいいのかわかんない。

……初めてだから、当たり前のことなんだけど。

雪生に対して、ということではなく。
やっぱり、不安とか恐怖とか……未知の世界に一歩踏み出すには、そういうマイナス思考もちょっとは湧くわけで。

けれど、そんなことを口にすることなんか、到底できない。
代わりに目をギュウッと閉じて、シーツの波をしっかりと握りしめた。


「……怖い?」


胸元から聞こえた雪生の声は、柔らかく穏やかで、緊張の糸が少し緩む。


「……ちょ、っとだけ……」
「……そ、か」


組み敷かれてる状態だけで、かなりの緊張感。
強張ってるであろうわたしの顔に、そっと雪生は片手を伸ばす。その手のひらを、頬に添えて優しく撫でる。


「優しくするから。それでも怖いときは、言って」


薄暗い部屋で見つめ合いながら、コクンと一度頷いた。
それを見た雪生は、頬からこめかみの方へと手を移動させて、しなやかな指をわたしの髪の中に沈ませた。

そして、優しく淫らなキスを降らせる。


「ん、ん……っ」


寝かされた態勢でのキスというだけで、こんなにも興奮してしまうものなの?
もうなにが原因とかわかんない。胸を強く掴まれたような感じに、きゅう、と初めての感覚を覚える。