先生入って来たらどうするのよ!

注意されるじゃん。

それ以上に反省文とか書かされちゃったらどうするのよ!


ーーキーンコーンカーンコーン…。


ナイス、タイミング!

あたしを救ってくれたのは予鈴のチャイムだった。


「ちぇっ。もう鳴っちゃった」

「ほら、教室に帰りな」

「また来ますね?」

「はいはい」


裕貴君は渋々帰って行った。

少しだけ名残惜しい温もり。


抱きしめられるのは嬉しいけど、人前ってのがちょっと複雑かな?


「授業始めるぞー!」


社会の先生が入って来て、すぐに授業が始まった。

さっきの出来事の熱が冷めやまないのか女子は顔を赤くしていて詩織なんかあたしの方を見てニヤニヤしていた。


あとでからかわれそう…。

裕貴君のバカやろー。


そんな事言っても本当は裕貴君の事が好きでたまらないんだけどね。


余裕の裕貴君には言ってあげない。

…だって悔しいし。