再建されたカメリア王城。


真新しい白い石壁に囲まれた室内に、ひとりの若い王が佇んでいる。


若い王は、壁にかかった大きな一枚の肖像画を見上げていた。


白く輝く髪の、背の高い美貌の少年。

その傍らに寄り添う少女。


ふたりは絵の中で、まるで生きているように微笑んでいる。


このふたりは、王にとってかけがえのない友だった。


彼の人生を変えてしまう重大な出来事に、深く係わった人物たち。


彼を認め、彼を導いてくれた。

彼が生まれて初めて、心を許した友。


なのに・・・・・・


ふたりは王の前からいなくなってしまった。


少年は、愛する少女を守るために。

少女も、人知れず姿を消した。


「スエルツ王・・・・・・」


自分の名を呼ぶ声に、王は振り返る。


大切な友を探し出すように命じた、有能な家臣が畏まっている。


「ミアンとブランは見つかった?」

「・・・申し訳ございません」

「・・・・・・そう」