タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「昔はまだ、狩りの作法が守られていた。それが今では、子どもや妊娠中の母親まで狩られている」


「そんな・・・」


「美味いんだそうだ。小さな子どもの肉は。柔らかくてな」


とげとげしい白タヌキの声。あたしを見る目も針のようにキツイ。


おタヌキ王が、深くうなづきながら言葉を続けた。


「このままでは、われらタヌキ一族存亡の危機である。ゆえに、伝説の出番なのである」


「出番って、どんな?」


「白タヌキ騎士が人間の娘と結ばれ、われらを救うのである!」


おタヌキ王はすごく満足そう。周囲のタヌキ集団も、やんややんやの大歓声だ。


・・・・・・・・・・・・


あのおぉ~~?

熱く盛り上がってるとこ、水を差すようで悪いんですけど。


「それじゃ結局、問題解決に向けての具体的な案は、何もないってこと?」


そのあたしの発言で、タヌキたちの歓声がピタッと止んだ。


皆の視線が一気にあたしに集中する。


いや、だってさ。

仮にあたしと白タヌキが、ここで結婚したとして。


で、どうなんの? 明日になったら突然、人間がタヌキに執着しなくなるの?


それとも突然、人間の目にタヌキの姿だけが見えなくなる、とか?


・・・ないでしょ。普通に考えて。