タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」

「それ以来、一族が危機に陥った時には必ずや白タヌキが現れ、われらを守り導いた」


「・・・・・・」


「そしてすべての白タヌキ騎士には、常に美しい人間の娘が嫁入りをしているのである」


嫁入りって・・・。

ワナで捕獲して、無理やり嫁に仕立て上げてたんじゃないの?


あのね、人間の常識ではね、それを「愛」とは呼ばないの。


「誘拐」って呼ぶのよ。


「今この時期、再びわれら一族に、伝説の白タヌキが降臨した!」


わーわーわー!


「舞い降りた美しき人間の娘と、白タヌキ騎士との愛が、われらを救うのである!」


わーわーわーわー!


舞い降りてないって。

仕掛けアミに嵌って、地面引きずって連れてこられたんだってば。


・・・ん? ちょっと待ってよ?


「ねえ、おタヌキ王」


「なんだ? 舞い降りた美しき人間の娘よ」


「う、美しきって・・・やだわ」


いくらタヌキ相手とはいえ、面と向かって褒められるとさすがに照れる。


「あたし、決して美人なんかじゃ・・・」


「それは分かっている。だが伝説では、嫁は全員美しい、ということに決まっているので、今さら変えられぬ」


「・・・・・・」


「なんだ? 舞い降りた美しき・・・」


「ミアン! あたしの名前はミアンだから!」


「そうか、ではミアン。なんだ?」


「あんたたち、いま現在なにか問題でも抱えてるの?」