「うっわー…本当に二つなんですね!」
「……」
無視かい。
まあいいや、と袋からチョコなどを取りだし、材料の説明をしようとする。
と。
「猫さん」
不意に話しかけられた。
「みいです」
「…みいさんは、なんで私たちに関わるんですか?」
――それは、純粋だから聞ける質問だった。
心臓が軋む。
嫌な音がする。
あれ?
私、今なんて思った?
嫉妬?イライラ?それとも――羨望?
あぁなるほど。
私、千晶ちゃんが羨ましいわけか。
だから憎くて、イライラするのか。
私にはない純粋さに、羨望しているのか。
魂胆やなにもを全く考えない、ある意味純粋で無知な彼女に。
「千晶は、陽と平和にくらしたいんです!
二人っきりで、邪魔なく、陽を守りたいっ
“入れてあげない”んだから!」
幼稚で、無知で、純粋で。
人はそれに魅せられる。
人間の求める人間じゃない姿が、それなのだから。
汚さを超えた美しさ。
私は、いつまでも汚いままなんだ。
中途半端に、人にすがるから。
八城とか帆音ちゃんとか、変に愛されたがる。
私はまだ、人間を捨てきれてないんだ。
だからこんなにも汚い。
陽紀くんや千晶ちゃんは真っ黒に美しいのに。
だから、ムカついた。
幼稚だけど、嫉妬した。
彼女には成れて、私には成れない美しさに。
「入れてあげない、だって?」
言葉を発した私に、びくんと震える。



