月隠れの庭

何を求めているか、はっきりと分からないのは不安だが。


(仕方ないな…)


流星はカーゴパンツのポケットに手を入れると、ゴソゴソと何かを取り出し尚人の前に置いた。


「コレ…」


驚いた表情で彼は流星を見る。

そこに置かれた物は縊鬼と遭遇した時に全て壊れたはずの『5つの指輪』だった。

「やるよ。実はスペアを作ってたんだ」

「流星………ありがとう」

尚人はフワリ微笑んで受け取ると、今度は素直に自分で指に嵌めた。


「明日、蔵に行ってみようと思ってるんだ。流星は心配するかもしれないけど…」


「あー、お前が言いたい事は分かってる。ついて来るなってんだろ?行って来いよ、オレはここで待ってるから」

「…流星…」

「どうせオレが止めたって言うこときかないんだ。そのつもりで指輪、渡したんじゃねーかよ」

はぁぁ…流星は大げさなタメ息をわざとついてみせる。