月隠れの庭

尚人はそっと表紙を開く。



「……………………」



そして文面に視線を落としたまま、動かなくなった。

「どうした?」

「う…」

「う?」


「な、何が書いてあるのか…読めないんだけど」


顔を真っ赤にして白状する姿に、

「ぶっ!!」

堪える事なく、流星は思いっきり吹き出す。

毛筆で書かれた達筆な文字など読めるはずもなく、見る前から分かりそうなものだが…気づかない所が、いかにも尚人らしかった。


「多分このまま読んでも言葉が難しいだろうから、要約してやるよ」


「お願いします…」


流星は手記を受け取ると、おもむろに声を出して読み始めた。