月隠れの庭

「とにかく!!これ以上お前にケガされたら、夏緒さんに合わせる顔がないんだよっ」


尚人の事をよろしくと頼まれたのだ。

その約束を破る訳にはいかない。

それは流星のささやかなプライドだった。


「流星は過保護すぎるよ。僕は子供じゃないし、今回は寺の敷地内なんだ。いくらあの場所が特別であっても、さっきみたいな他の鬼が現れる心配はない、んだし…」


言いかけて、尚人は黙り込んだ。


今までとは明らかに違う怒りに満ちた顔つきの流星がいたからだ。


「お前は16年前にその蔵で、何があった?ここは下手すると外より危険が潜んでいるかもしれないんだ。いいか…2度とは言わない。1人で黙って行こう何て考えるなよ。それより少しは鬼についての勉強でもしてろ!!」


それだけ言うと、流星は尚人を残して居間を出て行った。