月隠れの庭

「流星の言いたい事は分からなくもないよ。でも元々片目は不自由なんだし…少しでも早く目を取り戻せば、霊が見える事もなくなるだろ?そしたら心配をかけなくて済むじゃないか」


頑として尚人は言い張り、自分の意見を曲げる気はないようだ。


(ダメだ、話にならん…)


流星は彼の危機感の無さに、ついにイラッときてブチ切れた。


「お前は人鬼の目がなくても、霊感はあるんだよっ!!」


我慢出来ずに本当の事を暴露したが、尚人は不思議そうに首を傾げる。



「流星、頭大丈夫?」



「…………………」



(お前に言われたくねーよっ)



流星は怒りが込み上げてくるのを、グッと拳を握りしめて堪える。


(コイツただの馬鹿だろ…何で見えてた記憶がないんだ?それともオレ、夏緒さんに担がれたのか…)


段々と、この親子に振り回されている自分が悲しくなってきた。