月隠れの庭

「気安くそんな言葉を口にするなよ。もしその事を事前に知ってたら、お前は同情してあの縊鬼に自分の目をくれてやったって言うのか!?」



「…………それは」



「ほらみろ、やっぱり自分の身を犠牲になんて出来ねーだろーが」

言葉を飲み込んでしまった尚人の鼻を指先で軽く弾く。


「痛っ」


「痛いのは、お前が生きてるって証拠だ」


ふんっと流星は鼻を鳴らした。

「変な確認の仕方…」

「じゃあ、傷口に塩擦り込んでやろうか?生きてるって実感、百倍はするぞ」

流星はニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ、目の上の切れた箇所を指差す。


「ドS!!」


「偽善よりマシだろ」

「どこが!?どっちもどっちだよ」

珍しく突っかかってくる幼なじみを見て、流星はプッと吹き出した。