月隠れの庭

「おい、周子。しっかりしろ」


流星が軽く体を揺らすと、倒れていた彼女はパチリと目を開けた。


「あれ…何でここに…私…?」


周子は目を瞬かせながら、起き上がる。

「どこもケガはないか?」

「ケガ?」

心配する流星の言葉に、首を傾げた。

よくよく周囲を見てみると、部屋の中が滅茶苦茶になっている事に気づき、そこで記憶が蘇ってきたのか、


「あーっ、思い出した!!」


周子は大きな声を上げる。


「そう、さっき幽霊が出たの!!頭から血を流した怖い顔の…」


身振り手振りでその時の様子を、彼女は興奮気味に話し出す。

「ま、とにかく何もなかったんなら良かったよ」

どうやら縊鬼の姿を見て気絶しただけらしく、元気ないつもの姿に流星は安心した。