月隠れの庭

《若造が何を言うかと思えば、戯れ言か…》


「戯れ言がどうかは、すぐに分かるぜ」


《ふん…名を知らぬお前に、我を祓えるものか》


流星の言葉に、鬼は喉を鳴らして小馬鹿に笑った。

憎しみや恨みを募らせ鬼にまで変貌した死霊は、修行を積んだ僧でさえ簡単には祓えない。

鬼自身が満たされ成仏する以外で強制的に祓う為には、生きていた頃の《真名》が必要となるのだ。


だが、流星は慌てない。

余裕すら感じさせる表情で、こう言ったのだ。


「試してみるか、縊鬼(いき)…」


軽く口端を上げ、挑むような目を鬼に向けて。