月隠れの庭

(冗、談………)


これは自分の目を取り返す為の、大切な手掛かりなのだ…そう簡単にくれてやる訳にはいかない。


「触るなっ!!」


尚人はその手を力いっぱい払う。

その瞬間、ジュッという音と共に流星の指輪が鬼を焼き、全て砕けた。


《がぁぁっ!!》


鬼は呻き声を上げると、尚人を掴んでいた手を乱暴に離した。


《く…小癪な真似を…》


焦げたような臭いが辺りに漂う。


「次はそんなもんじゃないぜ」


突如背後から聞こえてきた別の声に、鬼は振り向いた。


《何だ、貴様は…》


「寺の息子だよ。お前はオレが祓ってやる」

「流星…」

幼なじみの姿に、尚人はホッとした表情になる。


「尚人、離れてろ」


鬼から視線を外さないまま、流星が言った。