月隠れの庭

      ☆
「うーん」


流星は唸る。

彼は今、自宅の離れの一室にいた。

そこは古い資料を保管する為の部屋で、人鬼に関する記述を再度探している最中だった。


「やっぱり残ってないよなぁ…」


ポツリ、誰に言うでもなく呟く。

今までも何度となく調べてきたのだ。

棚の中の資料は、一応全て目を通している。

流星は手にしていた資料を元のスペースに戻しかけたが上手く収まらず、その首を傾げた。


(あれ…最初はキチンと棚に並んでたはずなんだけどな…)


無理に入れると傷むので仕方なく隅に置いてある踏み台を持ってきて、棚の奥を覗き込んだ。


「?」


見ると、何かがある。

流星は腕を伸ばして、それを取り出した。