近所をあちこち案内してもらい思い出を満喫した後、周子の家に行こうと尚人は提案したが、流星は先に帰ってしまった。

調べものをすると言っていたが、さっきのケンカが原因である事は明白である。

なので彼女の事が気になっていた尚人は1人、周子の家に向かった。


「あ、尚ちゃん…」


エプロン姿で玄関口に出てきた周子は、共働きの両親のために夕食を作っている最中のようだ。


「ちょうど良かった。もうすぐご飯できるから、食べていかない?」


言いながら、彼女の視線は尚人の背後を見ている。

「さっきまで流星と一緒にいたんだけどね、調べものをするからって先に家に帰ってしまったんで僕1人なんだ」

悪いね…尚人が謝ると、


「えっ…別に私はそんなつもりで…」


彼女は慌てて首を横に振った。

「無理しなくていいのに」

その言葉に、周子の顔がみるみる赤くなった。