月隠れの庭

「周子ちゃんは流星の事が大好きなんだよ」


2人のやり取りを思い返して尚人が笑うと、


「はっ!?冗談はやめてくれよ。あんなじゃじゃ馬…」


流星は首を横に振って発言を否定した。


(そうかなぁ。結構いい感じだと思うんだけど)


尚人はタメ息をつく。


3人で遊んでいた頃から、周子は流星を好きだった。

そしてそれは今も変わらないようだ。

なのに、どうして流星がその気持ちに気づかないのかが不思議で仕方ない。

気心も知れていて、お互い何でも言い合える仲などそうはいないと尚人は思うのだが…。

何だか周子が可哀相に思えてきた。


「とにかく、遅くならない内に出掛けようぜ」


ケンカはいつもの事なのか、流星は何事もなかったように勢いをつけて起き上がると、外を指差して言ったのだった。