月隠れの庭

「流星…」


尚人は待ち合わせの場所でキョロキョロとせわしなく辺りを見回す、青年の肩を叩いた。


「あ…えーっと…」


振り向いた先にいる人物を見て、なぜか相手は首を傾げる。

「尚人だよ。幼なじみの顔、忘れたの?」



「……………………え?な、尚人!?」



長い沈黙の後、こちらは幼い頃から少しも変わらない流星が声を上げた。

「うわっ、お前見た目メチャメチャ変わりすぎ!!言われなかったら、全然分かんねーよ。…そっか、目は色を合わせるためにカラコン入れてるんだな。結構似合ってるじゃんか!!」

言ってひとしきり感心した後、


「でも何かハスキー犬っぽいな…」


顔を至近距離まで近づけ、彼は幼なじみをマジマジと見つめた。


「ハスキー犬?16年振りに再会した幼なじみに向かって言うかな、普通」


尚人はグレーの瞳を細めて笑う。

その笑みは、幼い彼のままだ。