月隠れの庭

「そこの中央公園でどう?その方が周りを気にせず話せるし、この大量の荷物もゆっくり置けるしね」

「安上がりね。じゃあ、そこの自販機で飲み物買いましょう」


夏緒は空いた日陰のベンチに腰掛けると、ゆっくりと歩いてくる流星に向かい手招きをする。


「お疲れ様」


荷物から解放された彼に、ペットのお茶を渡した。

「あー、冷たくて気持ちいいな」

流星が冷えたそれを額に当て、しばらく涼んでいると、


「話って、尚人の事でしょ?」


夏緒から用件を切り出された。


「…もう、何でそう先にオレの言いたい事を言うかなぁ…」


流星は口を尖らせる。

その仕草が自分の知っている子供の頃の彼そのままなのを見て、


「男が細かい事を気にしない、気にしない」


夏緒の胸は懐かしい気持ちで微笑んだ。